離職者数の推移
厚生労働省【就業形態、雇用形態別移動状況】の調査結果によりますと、令和4年上半期(令和4年1月~6月)の入職者数は 4,758.7 千人、離職者数は4,458.7 千人で、入職者数が離職者数を300.0 千人上回っています。
離職者数のうち、一般労働者では「雇用期間の定めなし」が1,900.5 千人、「雇用期間の定めあり」が 633.0千人、パートタイム労働者では「雇用期間の定めなし」が 558.7 千人、「雇用期間の定めあり」が1,366.6 千人となっています。
前年同期と比べると、入職者数はパートタイム労働者の「雇用期間の定めあり」以外は増加し、離職者数は全ての区分で増加しました。
性別では、男性の場合、入職者数・離職者数ともにパートタイム労働者の「雇用期間の定めあり」以外の区分で増加し、女性の場合、入職者数はパートタイム労働者の「雇用期間の定めあり」以外が増加し、離職者数は全ての区分で増加しています。
主要な産業別にみると、入職者数は「宿泊業,飲食サービス業」が 990.0 千人と最も多く、次いで「医療,福祉」が 778.0 千人、「卸売業,小売業」が 734.9 千人の順となっています。
離職者数は「医療,福祉」が 781.5 千人と最も多く、次いで「卸売業,小売業」が 768.9 千人、「宿泊業,飲食サービス業」が 728.6 千人の順となっています。
離職理由
男性
1位 給料等、収入が少なかった
2位 職場の人間関係が好ましくなかった
3位 職場の将来が不安だった
女性
1位 職場の人間関係が好ましくなかった
1位 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
2位 給料等、収入が少なかった
その他、「仕事の内容に興味を持てなかった」「能力、資格、個性を活かせなかった」「結婚、出産、育児、介護、看護」「その他の個人的理由」などがあります。
出典;厚生労働省【令和3年雇用動向調査結果の概況】
離職を防ぐための4つのポイント
①職場状況の把握
かなり前から悩んでいたけれど、相談せず、突然、退職を申し出る方もいるため、まずは、職員の状況を把握することから始めましょう。
定期的に話を聞く機会を設け、悩みや不満をため込んでいないか、こまめにガス抜きをしましょう。
②コミュニケーション
職場の人間関係についての悩みが退職理由の上位に挙げられます。
施設長は、職員間でコミュニケーションの基礎が気持ちよくできているかを確認しましょう。
コミュニケーションの基礎とは、あいさつや笑顔、返事、報連相など、あたりまえのことを、あたりまえにすることです。
③待遇・環境の改善
業務や行事内容の見直し、個別のスキルや経験、家庭のことなどを考慮した配置、システムの導入と活用方法などを検討し、適切な評価制度を設けましょう。
④メンター制度
新人の退職を防ぐために「メンター制度」を取り入れる組織が増えています。
新人を“メンティー”、指導役を“メンター”と呼びます。
OJTとは別に、年齢や経験年数の近い先輩職員が担当することで、メンティーは相談しやすく、精神的な支えにもなります。
メンティーが2年目以降、メンター役になることで新人の気持ちを理解したアドバイスができるようになります。
メンターは、今後、リーダーになるためのよい経験を積むことができるでしょう。
職員が定着することは、子どもたちや保護者の精神的な安心につながります。
新人若手職員の新たな風と、ベテランの経験やスキルがあって、組織としてのチーム力が高まります。